海外の Bakery Work
やっぱり仕事はこのくらいスピーディーにノリノリでw 楽しくやりたいよなー。日本じゃクレーム来そうだけどw
この動画のお店?の製造量、凄いっすよね?あちらのバゲットの価格は日本の半分とか三分の一と言われてますが、家庭での消費量の差を感じます。そして使用した粉袋の数から推測すると日本だと日商60万前後。商品が食事用パン中心なので実際にはそこまでないでしょうが、一人当たりの仕事量は日商100万規模に匹敵するような内容です。登場する技術者の動きを見ても毎日そのくらいの仕事量をこなしている人だと分かります。
それにしても、以前紹介した国内の中規模工場と比べると随分と手作業が多い。
何故そのようになるのか?(持論っす)
国内で流通している主なパンの種類は、食パン、菓子パン、調理パンで大部分を占めている。これらのパンに共通している事は、型と鉄板を使用して焼き上げる事。型や鉄板を使用する事で、最終発酵から窯まで生地単体での移動をする必要がなくなる。あちらのパンもラックオーブン(ラックごとオーブンに入れる→焼く)があれば?と思いましたが、クープ(切り込み)を入れる作業が邪魔をする。じゃあ、成形を終えた時点で鉄板に乗せれば?とも思いますが、動画を見て分かるように、ハード系商品の最終発酵はキャンバスと言われる布+木製の板で取る必要がある。吸水量が多く弾力が弱い生地の最終発酵には、ベタつき防止と下の素材が滑らない事、横に壁を作る事によってパン生地が膨張の際、生地の張る力を維持する事が不可欠です。なのでどうしても、窯入れ作業が手作業となる。
ヨーロッパの小麦粉はこんな感じで↓
boulangeriemanna545.hatenablog.com
吸水率が低く→小麦粉が吸う力が弱い
グルテンが弱い→崩れやすい、繋がりにくい
などの性質があります。
刺激にも弱いので優しくミキシングを行い、吸う力が弱いからこそ多目の水分を配合、長時間の発酵を取る事でこの二つの弱点を補う必要がある。そうして出来上がった生地はアメリカの小麦粉で作った生地と比べて、非常に腰が弱くベタベタ。当然機械耐性も無いので、ミキシング以降に機械にかける事が不可能になります。(手粉の量が凄いw)
大きく分割する時は機械も使用していますが、そこから先の工程では人の手の微妙な力加減によって丸めや成形を行なっている。
そうして出来上がったあちらのバゲットの見た目は、焼き色が濃い、皮が厚め、内相が穴だらけ、不均一な形などが挙げられ、味はヘーゼルナッツやくるみに例えられる濃厚な香りと歯切れの良さ、口溶けの良さ、長時間発酵による旨味が特徴的。
一方国内の一般的なフランスパンは、皮が薄く、見た目が整っていて美しい、焼き色は黄金色で、内相は食パンよりは荒いもののモチっとした弾力やひきもあり、白い部分は食パンのような爽やかな味で、程よい香ばしさとのバランスが特徴的。
パンの違いで作り方も随分と変わります。
それにしても、動画の人の大胆かつ正確で繊細な動き。さすが本場!深夜から始めて、夜明けと共に焼成開始、お昼頃までには作業を終え夕方前には帰宅っぽい。これ初日にやらされた人は翌日には来ないな、今の日本。罰ゲームに例えられるのも分かる...
現役時代ならともかく、今ついて行けるのだろうか?😅
両方使うのもめんどくさい。