「チャックベリーはロックンロールの代名詞。50年代には誰もが彼の音楽に熱狂した。彼の演奏は、今も新鮮だ。ヘイル ヘイルロックンロール!!」←ロックンロール万歳!
そんなジョンレノンの映像とデビュー曲メイベリーンのサビで始まる映画
「ヘイル ヘイル ロックンロール」を久しぶりに見た。
映画はドキュメンタリーで、本人が語る生い立ちに、彼と同時期に活動したアーティストと彼から影響を受けたアーティストのインタビューを交え
更に当時のライブ映像を織り込んで進んで行く。
チャックベリーと言う人物像を、裏も表も包み隠さず見せて行く。
これが凄い。
例によって、実に生々しい。近年のゲスのなんちゃらの不倫疑惑なんて可愛いものだ。実際服役3回だし。個性が強すぎる。😱
ボ・デイドリーとリトルリ・チャードとチャックの3人で当時を振り返る場面があるのだが、レコード会社にピンハネされていた話、ワイロの話も生々しい。リトルリチャードは、契約書を見ても自分の名前しか分からなかったくらいアホなんだが 笑!
チャックは言う
「感覚で進むしかない、転ぶ事もある、頭をぶつける事もある、でも、同じ犬に二度噛まれちゃいけない」
この人、デビュー前の本職は塗装業と整備工。
アマチュアだった頃、メイベリーンが生まれたライブハウスを、閃いたアイデアで壁一面をデザインし大金を得る。しかし、次第にライブのギャラの方が良くなって、チェスと契約してからハケを置き、ギターに持ち替えた。全てが自分流。大勢の取り巻きもバンドもいない。ライブで各地を回るときは地元のバンドに頼む。条件はチャックの曲を知っていること。リハーサル無し。開演5分前に一人で会場に車で乗り付け、ほぼ初対面のバンドに、用意は良いかい?と尋ねる。
バンドメンバーはセットリストを尋ねる。
無視。笑!!
突然始める。笑!!
そう話しているのはブルーススプリングスティーン。
交渉も移動も一人。移動はギターケースのみ。ギターの調整なんかは半年に一回。1年経ったら新品に買い換える。
「経費で落ちるからね」
ライブでもビジネスでも彼なりのやり方をした。
こうしてチャックはショービジネスも変えた。
ギターもビジネスも一流。仕事を人生の重要な一部として大切にしている。
飛行機内で当時のギャラの話になる。
色んな数字が次々に出てくる。
CAに求められ、人目を憚らずキスをする。
カッコ良いねぇー。
ドキュメントなのにな。
映画の核になる部分はストーンズのキース・リチャーズがチャックのライブをプロデュースしてからの盛大なライブ。
「彼はイカれている 彼だけは殴り返せなかった
いつか礼をするかも?」
ストーンズのキースに、これを乗り越えれば怖いもの無しさ!と言わせた史上困難な伝説のライブだ。
打ち合わせ段階での、チャックの破天荒ぶりが半端無い。😱😱
とにかく言う事を聞かない。
キースがかなりの人格者に映る。
だが映画の中のチャックベリーは、アカデミー賞クラスの男優が演じるチャックベリーか?
いや、オスカー男優も敵わないなー。
それほど自然でカッコ良い。
人類史上永遠に語り継がれるだろう当時60代のアホみたいに元気なおっさんを見て涙目になりながら元気を頂きました。
ご冥福をお祈りします。
映画の中でチャックが教会で
「今夜ロックンロールの父が...
巨大な車輪の歯車の一つが舞台に立つ。」
「俺だ」
「俺の祖先は数ブロック先の裁判所の階段で売られていた。品物として。」
「今は違う。」
こう言ってセントルイスの舞台に向かうチャックを後ろからカメラが追って、満員の観客がスタンディングで迎えるシーンがある。
鳥肌が立った。
音外しまくりだけども。笑!!