boulangerieの暇つぶし

元パン屋で都内タクドラの雑記。パン、料理(自炊)、音楽、映画、インテリア、酒、車、旅行...元嫁と質素な楽しい暮らし。

魚肉ソーセージの揚げパン

魚肉ソーセージ。都会では5割の好印象、地方は8割。高所得者の中では3割の支持、低所得層に8割の好印象と言うデータがある、あのピンク色のソーセージ。この魚肉ソーセージを使った揚げパンは、約50年前から創業者が作り始め、独立した後も継承していた。時代の変化と共に、何度か進化させようとしたんだけども、「あの、懐かしい味を」の意見が圧倒的に多く、最後まで作り続けていた商品の一つ。

 

当時4本束になったソーセージのビニールを剥がして、1本づつカットして4分の1にする作業は例のT君の仕事だった。T君が出来る作業を寄せ集める事で、他のスタッフの作業軽減に繋がりT君も役割を得る。手作業の現場では、忙しいからと言って一人雇うと手が余り、かと言って雇わないといつまで経っても皆激務、見たいな状況が日常的。取っ掛かりに簡単な作業を寄せ集めるのは常套手段だった。←各自技術が向上するのに時間を要する

 

んーまた話が逸れた。

 

この魚肉ソーセージの揚げパン、いつの日か例の婆さんの居酒屋で飲んだ時に地元の人に絡まれて退店出来なかった日の事。地元で有名なパン屋であって、私のお気に入りのパン屋でもあるディジイの事を地元のお客さんに色々と聞いて探りを入れていた。その時地元のお客さんも「あそこは、私の好きな魚肉ソーセージの揚げパンがあってさー」と言うのを聞いて、こんな都会でも支持されているんだ!と驚いた。同時に、いつものように、作り手の自信作は案外人気がなく、何となくやっているパンが密かに人気と言うミスマッチを、こんな遠くに来てからも見てしまってちょっと複雑。ディジイは、ハード系とデニッシュとオリジナルの菓子パンが素晴らしい。作り手もそこにこだわりがあるはずだ。

 

創業当初からやっていて、こっちが知らぬ間にいつのまにかお店の顔になると言う不思議な商品。その時はそんなに意識していないのに、ひょんな事から作り始めたら超ロングセラー商品になる商品。でもこう言う商品が多いお店は本当に息が長い。次から次に斬新なアイデアの商品が生まれて来る。東京面白れぇー!と毎日楽しく観察しているけども、ある時ふと、この揚げパンのことを思い出して作って見たのでした。

 

揚げパンは成形して冷凍保存も出来るので色々と便利。自然解凍して二次発酵後は、片面1〜2分揚げるだけ。パンの基本の9割は、実は焼き立てより粗熱取れて少し冷まして味が落ち着いた頃が一番美味しい。出来立てが美味しい数少ない商品に、揚げパンがあるのです。

 

100%加糖中種法の調理パンをやってみた。

捏ねると言う困難な作業軽減につながる。

製法については後日。

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台風前日の東京タワー。