WBSS日本初開催で起こった井上尚弥選手のKO劇は方々で色んな記事になった。国内では12%くらいの視聴率だったみたいだが、全世界では約2億人がこの瞬間を目の当たりにした。
本日(13日)、同じく秒速KOで有名になったゾラニ・テテ選手が同大会で試合をしたのだが、最終ラウンドまでもつれ込んで判定で何とか相手を下した。
これが普通だ。
だってこの大会に出る選手は皆各団体のチャンピオン、もしくは歴戦の勇者達だ。8割方の選手が無敗、史上最速でチャンピオン、数年間無敗と言う猛者揃い。井上尚弥選手に負けた選手も過去にKO負けをした事がない。
井上尚弥選手が別格なのだ。
(井上選手、なんかくれ。)
で、ここまで出た本人の談話をまとめてみると、KO前の目に見えない激しい攻防と所謂「ゾーンに入っていた」事が分かった。
やはり...
いつも書いている 無我の境地とか融通無碍的な感覚だったんだ!
あの時、あの瞬間の、あの会場の雰囲気は確かに異様だった。贔屓目にしている選手のただのKO劇では無かった。
相手が倒れた瞬間は確かにただのKO劇。しかしその直後に訪れた一瞬のどよめき→無言、静寂、疑問、困惑、鳥肌...
会場のほとんどの人があの時体験した。人があの境地に至った瞬間を。
ゾーンに入る→考えなくとも体が自然に楽に素早く反応する感じとでも言おうか、マラソンならばランナーズハイかな?マラソンでも製パンでもそれっぽい経験をしたので何となく理解出来る気ではいるのだけども←え!製パンで!←いや、マジ
あれがやって来る時って、色んな人の話を聞いているとある共通する事がある。
それは
地味な基礎訓練をひたすら何年も繰り返していた事。
中田選手の繰り返し行われた基本的なインサイドでのパスの練習、イチロー選手の柔軟や食生活のルーティン、ピアニスト、ヘルフゴットのラフマニノフへの執着、王貞治の真剣での素振り、大山倍達の...
彼らはひたすら一つの事を繰り返し、インプットとアウトプットを自分の中だけでやり続けていた。誰の影響も受けず、自分の身体と徹底的に向き合ってきた。
どうすれば史上最速の素振りが出来るのか、どうすれば超絶困難な演奏をミス無しでやり遂げるのか、どうすればキラーパスが出せるのか...
外からではなく、身体内部と徹底的に対話、自問自答してきた。
その結果、肉体も精神も超越して、まるでその先が予測できているかのように反射的に身体が動くようになる。考えなくとも周りが見えて来る。身体が勝手に動き出す。
近年の若手経営者には、これとは逆の多動力的な才能に溢れていて、それはそれで特殊な才能で、普通の人はとても真似できるものではない。あの人達の一度に処理できる能力は特殊だ。
でも結局どちらも絶え間ない努力をしていて行動し続けており、その想像を超えた努力を、たった一言で天才とか才能と言う言葉で特別な人扱いするのも何か違う気がした。
質素な醤油ラーメン。見た目の100倍旨い😋