boulangerieの暇つぶし

元パン屋で都内タクドラの雑記。パン、料理(自炊)、音楽、映画、インテリア、酒、車、旅行...元嫁と質素な楽しい暮らし。

TAKE ME TO THE RIVER

"世界には特別の場所がある

 

        起源(はじまり)の場所...

 

ミシシッピ・デルタもー

 

       そういう場所の1つだ "

 

そんなセリフで始まる「TAKE ME TO THE RIVER」をamazonプライムで見た。

 

物語

テネシー州メンフィス、ここでは多種多様な音楽が生まれ融合し、また、数々の生ける伝説と呼ばれる世界的ミュージシャン達を輩出してきた。彼らを今一度この故郷に呼び戻し、名門ロイヤル・スタジオにて、ジャンルや人種、世代を超えた新たなレコーディングを行う。地元出身者による新たなレコーディングは、伝説の巨人たちが若手にこの地の音楽を継承する貴重なセッション、その様子に追ったドキュメント。amazonプライムより

 

最初に登場したのはブッカー・T .&ザ・MG`sのブッカー・T .ジョーンズ。ロックの殿堂入りをしている彼らの代表曲は世界中の誰もが一度は耳にした事のあるこの名曲。

 

 セッション1

そのブッカー・Tと若手ラッパーの通称アル・カポネによるセッション。

 

♪ 俺は ここで生まれた  ブッカー・T・と同郷  

彼の音楽に相乗り  古い新しいは関係ない 

俺たちの音楽をやるんだ

時代は違っても同じ 

ここの音楽を取り戻す

黒も白も関係ない  世代を超えて一緒に

ここの音楽を取り戻す...

 

巨匠を目の前にして物怖じしない若者とそれを認めるブッカーとの世代を超えたセッションが良い感じだ。

 

セッション2

ロイヤル・スタジオにてオーティス・クレイとリル・ピーナッツによるセッション。

巨匠と10歳に満たない?少年とのセッション。百聞は一見にしかず↓

 オーティス・クレイの「バップをやってくれ!」で始まるレコーディング。なんだよ、この少年!!ノリノリじゃねーか!こんな幼少期から巨匠相手に堂々と楽しそうに歌っている!!どうなってんだ?向こうの音楽の層は!

 

ちなみに合間にあるリルのインタビューシーンでは、自身の考えに基づいた表現方法を堂々と語っている。

 

セッション3

チャールズ"スキップ”ピッツ、ボビー・ラッシュらと若手ラッパーフレザー・ボーイによるセッション。

 

チャールズ”スキップ”ピッツはアメリカのソウル、R&Bシンガーであるウイルソン・ピケットのバンドリーダー。昭和生まれの日本人ならば全員知っているこちらの曲はあまりにも有名。

 

♪生麦生米生卵!がすぐに頭に浮かぶはずだ。笑

 

セッションの合間にはミシシッピの有名スタジオの逸話やオーティス・レディング、サム&デイブなどの作曲家や音響エンジニア達の逸話が盛り沢山。

これはブルースブラザースで知った人も多いのでは?

 

同じR&Bでもシカゴの物とはまた一味違うファンクなノリ。しかしどちらにも共通しているのは

貧困街からの脱出→悪さするくらいなら音楽の道へ&小さなスタジオが拠点で個性を大切にしていた事で、各アーティストは音楽のルーツを大切にしつつ新たな物を生み出すエネルギーに満ちていた。映像に出てくる巨匠と若手とのコミュニュケーションシーンも印象的で、若手が巨匠をリスペクトしているのは当然だが、巨匠もまた若者に対してリスペクトしているところが素晴らしい。

 

スパイナル・タップと違って(笑)こちらは王道の音楽ドキュメンタリー。差し込まれる映像もいちいちカッコ良かったな。

 

博多の「めんたいロック」も地方特有の音楽文化発祥としては大変貴重な歴史だと思うんですよね。戦前&戦後、海外との交流が盛んで門司にも独特なJAZZ文化があるし。歴史や文化、起源を踏襲するのはどのジャンルでも大切ですね。 

 

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シンプルなうどんがなんと旨い事か。

秋の夜長に良い音、良い音楽、素晴らしい歴史と柚子胡椒w  良い一夜であった。