boulangerieの暇つぶし

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おっさんが「鬼滅の刃」に違和感を感じない訳

社会現象と言えるブームを巻き起こしている「鬼滅の刃」。ローソンに行くと今でも関連商品がズラリと並び潔いラストを迎えた今もTVでは総集編などが再放送されているのを見るともう少しブームは続きそうな感じだ。

 

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おっさんが「鬼滅の刃」を初めて見たのは今年に入ってから。←相変わらず遅い

当時の感想を少女漫画風と表現しているけど後に作者は女性と分かった。←やはり...

で、先週テレビにて総集編をやっていたのだけど何気に見始めたらこれがまたやめられない。

 

何故ならこの世界観が大好きなのです。

 

先日10数年ぶりに再読した夢枕獏の「神々の山頂」。夢枕獏を知るきっかけになったのは中学生の当時私と同じジャッキー・チェンファンだった佐伯君のお勧めから。映画ファンであると同時にジャッキー・チェンの強さに憧れていたティーンは、映画に劣らない、ある意味映像の世界を超越した小説の中のエロスとバオレンスとオカルトな世界観に魅了されてしまった。←エロスだけじゃないんかい!

 

その作品とは彼の代表作でもある「キマイラ」シリーズ。未だに完結していない辺りが何とも(初巻は38年前w)な感じではあるけども、8つ目のチャクラを回す事で超人的な動きをする少年をめぐる壮大なストーリーで、近頃ブームのヨーガをやっている人ならピンとくるはず、ヒンドゥー教のタントラや密教の世界では7つしかないとされるチャクラが実は8つめが存在し、そこをコントロールする事で不老不死&超人的なパワーを得られる事から大富豪、裏社会、冒険家、格闘家、各宗教団体...を巻き込んで世界規模でのストーリーが展開する。

 

夢枕獏の作品の面白さの一つは、オカルト的な事柄に史実を上手く絡ませている所で説得力が絶大な所。また、映像作品とは違い言葉の持つ説得力と自分の想像力を上回って出来上がる圧倒的な想像の世界は彼の文章力&表現力があってこそ。その壮大な世界観を映像化するにあたってはハリウッドならばあるいは...とは思うけども実写化された陰陽師や神々の山頂では全く足元にも及ばなかった。

 

そんな世界観がアニメでは上手く表現されていておっさんが妙に納得して見てしまう。

やっぱり日本のアニメの力は凄いしそんな世界観を40年位前にすでに完成させていた夢枕獏氏も凄いなと。

 

ただし、ハードボイルドが好みのおっさんは最終の戦いで見るのをやめているのだけども、そこには女性視点を不必要に多く感じたからで現実味が無くなってしまったから。(個人的に)

しかし改めて見るとやはり面白いので劇場版は見に行くかもしれません。

 

音楽のながら聞きや活字離れが当たり前となっている昨今。

活字は読むけどSNSやまとめられた記事などで短い文章が主になって来ているので表現力が乏しくなったとは先日のラジオのお話で、音楽もアルバムを通して正座してw聴き込む事が皆無となり、それは作品のクオリティの低下にも繋がっているのでは?なんて事も言われています。

 

読書の秋、普段小説なんて読まない人も夢枕獏氏の作品は映画的でエロいしもろに近頃のアニメ風。まずは圧倒的な言葉の力を体感するには非常に分かりやすい作品でお勧めです。

 

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