コロナの影響で延期されていた第93回アカデミー賞が日本時間の本日開催された。
会場はなんと!ユニオン・ステーション。「ブレイド・ランナー」や「キャッチー・ミー・イフ・ユー・キャン」など数々の名作にも登場したLAの歴史ある駅。
駅構内を会場にするなんて考える事自体が流石のアメリカ。
例年ならばこちらが会場となるはずが今年は例のやつで変更、来年はまた戻るそうです。
ショーは司会のレジーナ・キングがオスカー(トロフィー)を手にし駅構内に入るところからスタートする。自然な振る舞いで会場まで足を運びその後を追うカメラ。周囲には招かれた人達が思い思いにパーティを楽しんでいる中レジーナの前に突如現れるカメラマン、どれが演出なのかは分からない。画面に映る字幕は70'年代風の字体で音楽もひと昔前のファンクっぽい。まるでタランティーノ映画の冒頭だ。
これ、生放送なんだよね
司会である彼女の本業は、今回も映画「あの夜、マイアミで」の監督賞でノミネートされている女優兼テレビドラマ&映画監督。日本でも監督兼俳優と言えば数名いるけど、例えば北野武監督などが見事な司会進行を出来るか?と言うとちょっと想像する事が出来ない。あちらの映画界の関係者は皆多彩な才能を持っていて、歌って踊って司会してプロデュースして監督するくらいの俳優はいくらでもいるからいつもながら驚かされる。
書き出すと延々と続くので印象に残ったスピーチを
・助演女優賞を受賞したユン・ジョン=映画「ミナリ」
韓国のテレビドラマや映画に数多く出演している女優さんであるが世界的知名度は低い(多分)。プレゼンターのブラピに素人のごとく驚きユーモアから入ったスピーチはお見事。「優越を決めるのは好きじゃない。私がグレン・クローズ(「危険な情事」の悪女役!)に勝てるわけがない」と謙遜、他の候補者も称えていた。
・監督賞を受賞したクロエ・ジャロ=映画「ノマドランド」
プレゼンターは昨年作品賞&監督賞を受賞した韓国のポン・ジュノ「パラサイト 半地下の家族」。幼い頃暗記した中国の古典詩「三字経」からの引用で<人之初 性本善>と中国語で発音、いわゆる性善説(孟子)を語る。
・短編実写映画賞を受賞したトレイヴォン・フリー/マーティン・デズモンド・ローのスピーチ。映画「隔たる世界の2人」
トレイヴォン・フリーは驚きながら登壇、直後に発した第一声は「今日...警察は3人殺すでしょう」。意味不明で衝撃を受けていると、続けて「明日も3人殺すでしょう、明後日もそうです。なぜならば警察は毎日平均3人を殺しています、1年で約1000人です。その内訳は黒人が不自然なほど多い...」どうか無関心でいるのをやめてくださいと訴えていた。
・編集賞のプレゼンターとして登壇したハリソン・フォードのスピーチ
試写会でもらったと言う編集上の提案メモを読み上げ始めると
・オーピニングが意味不明
・ナレーションが酷過ぎる...クスリか?全員やっているのか?(笑)
・デッカードのピアノにウンザリ
・回想シーンは混乱する、テープを聞いているようだ
・ゾーラを撃ち殺すまでこの映画は猛烈に退屈だ
・試写会のたびにひどくなる
名作「ブレードランナー」の名シーンは、公開当初このように酷評されたのでしょう。
すっとぼけた雰囲気から編集スタッフの苦労を労いリスペクトするスピーチに変えたのはお見事!!
総評
「ノマドランド」観に行こう!!←作品賞受賞
いやー、映画ってホント!面白い!!笑