boulangerieの暇つぶし

元パン屋で都内タクドラの雑記。パン、料理(自炊)、音楽、映画、インテリア、酒、車、旅行...元嫁と質素な楽しい暮らし。

沈黙ーサイレンスー

スコセッシの「沈黙-サイレンス-」を見た。

話題になって、原作を先に読んで、クリスマスを迎えて、「椿三十郎」を見て、ようやく見る決心がついた。←どんな繋がりだ。

聖書を一通り読んだ事があって、布教活動の末に壮絶な死を迎えた宣教師達の歴史を、ほんの少しだけかじったさえないおっさんの、さえない感想を書いておこうっと。←軽い

 

物語は日本に渡った高名な宣教師フェレイラ神父が棄教 したと知ったロドリゴが、その事実を確かめるべく日本に渡る決心をした所から始まる。師が信仰を捨てるはずがない、ただの悪い噂だ、何か重大な事があったはず、棄教したならば私が救うと日本に渡る。日本に渡ると、熱心な信者達に迎えられ、崇められ、一瞬心が安らいだのも束の間、弾圧が特に酷かった地域ではひたすら身を隠し貧しい生活に耐える日々。そんな中、密告者によって次々に仲間が目の前で殺されていく...

 

踏み絵を行い、踏まなかったものは極刑。

同じ人間の所業とは思えない残忍な刑。

 

窪塚洋介が演じるキチジローは、信者でありながら家族までも犠牲にし、密告者となり、その度に懺悔し、それでもロドリゴ氏をパードレと呼び師と仰ぐ。←謝りゃ良いんかい!

 

最低なヤツだ。

 

こんなに心が弱いヤツでさえも赦せと?

 

目の前で死んで行く者達を見て、成すすべも無く、救いも無く、次第に神の沈黙に疑問を抱き、疑念が生じた自分に葛藤を繰り返すロドリゴ。そんな映画の展開を見ていて、命に代えても信仰を守る信者の姿に 全く共感出来ない自分がいる。

 

いや、取り敢えず踏み絵を踏んで見せて引き続き隠れて信仰すれば良いんじゃね?

それで自分や友達、家族の命が救えるんだったら簡単じゃね?

 

恐らく99.9%の何の信仰の無い日本人は、こんな境遇にあったらなんの迷いも無く踏むよな。

踏まなきゃ拷問、家族や自分が死ぬんだもの。 それでも踏まなかった人の心理、信仰て何だろ?となる。

 

当時の百姓は、飢餓による貧困に加え厳しい年貢の取り立て、身分差別など様々な外圧に苦しんでいた。米粒一つ、めざし一本が貴重な時代だ。

 

信じる者は救われる。

 

劇中で人々がパライソと呼ぶ天国に行けば全ての苦痛から解放される。信仰を守れば、いづれは天国に行ける。あまりの苦しさゆえに信仰の中に一筋の希望を見つけたのか?いや、信仰とはそんな単純な事では無いだろうとは何となく理解している。長崎や山口の弾圧の歴史を目の当たりにすればそれは明らかだ。しかし豊かな現代に生きる私にとっては何とも理解し難い。ロドリゴ氏は、目の前で拷問を受ける仲間を救うためについに棄教した。 晩年日本人と結婚し役所のために働いた。死んでもなお、日本式の葬儀を行う為に監視された。

 

彼は本当に信仰を捨てたのか?

神は何故沈黙していたのか?

 

ラストの描写がとても儚く美しい

 

混沌とした現代社会で、事なかれ主義、自分だけが淡々と素直に生きれていればそれで良いと思う人がいる一方で、信念を貫きもがき苦しみ頑張る人がいる。一時期は犠牲を顧みず頑張ったつもりが撃沈して淡々と生きる側に回ったが←ヤメろw

 

なんか色々と考えさせられた。

 

うーむ🤔

相変わらず日本は世界一平和だ。

 

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フライパンの蓋にこの包装。

もう!