boulangerieの暇つぶし

元パン屋で都内タクドラの雑記。パン、料理(自炊)、音楽、映画、インテリア、酒、車、旅行...元嫁と質素な楽しい暮らし。

相模原殺傷事件。精神障害者通所授産施設で4年、自分のお店で障害を持った方の雇用を6年、特養で8ヶ月働いた経験から来る私の考え。

被害に会われた関係者全ての方にお悔やみ申し上げます。

 

事件2日目に書いて迷ったけど公開。

 

      一般社会での苦悩と施設での苦悩

 

一般社会...パワハラモラハラや人間関係、ミス、成績、功績や挫折、労働条件とか、家庭との折り合い、ワークライフバランスで葛藤...

 

施設...意思の疎通が超絶困難な方との毎日の生活と、その方々からの全否定。

 

一般社会のものは、おおよその人が大体理解出来る内容と思う。しかし施設のそれは、体験しないと難しいもの。人間は、自分で決めた行動を妨げられる事が一番ストレスになる。特に生理的欲求や今目の前にある行動。

 

1分単位で常に行動を制限もしくは妨害されながら、全身汚物まみれの人を介助しに行って、全否定されながら介助を終える。

 

ポンっと肩を触っただけで翌日自殺未遂された。

 

目の前で今まで見たことが無い、人が発狂している様を見る。

 

呼ばれていったらいきなり罵声。しかも全く心当たりが無い。

 

頼まれたものを間違いなく持って行ったらこれは違う!!と投げ返される。

 

良かれと思って声かけしたら、蹴られる、つねられる、叩かれる、噛みつかれる。

 

これらの具体的な内容は書けない。汚い言葉だらけになるから。

 

これらが日常茶飯事

 

一般社会の場合、対象相手が倫理違反した場合には正当に裁く法律なり規則がある。後者は少なくて、対象相手が逆に守られている。後者は1歳前後の幼児と言ったら分かりやすいかな。本能のまま自分本位に動き感情をそのまま出す。幼児の場合、自分の子供と言う理由だけで、我慢することに納得出来る⬅︎出来ない人も多くなっているけども...😥

 

赤の他人から毎日理不尽な目に会わされて、それでも正義感と純粋な気持ちで介護を続けていく中、どれだけの葛藤を繰り返しても人には到底言えない状況。

 

吐き出す所はどこにも無い。

 

 

犯人を擁護するつもりは全くない。

犯罪者は犯罪者。殺人者は絶対に許せない。

 

現場の様子を少しわかって欲しいだけ。

 

真面目が故に、ある時※プッツンしてしまう状況はなんとなく理解出来る。結局そんな人は、自分がひどい目にあったから復讐する。その復讐をあれこれ正当化しようとしているだけ。

※突然思考や思想が変わる

 

自分を正当化しようとする人間にはどんな言葉も通じないよ。分析したって意味が無い。授産施設で働いていた頃、利用者の方からの素朴な質問になんと答えたら良いの?見たいな事が書いてある冊子を読んだのだけど

 

利用者「僕は結婚出来ますか?」

 

例「神様だけが知ってるんだよー」

 

みたいな事しか書いていない。アホか!笑

 

こんなマニュアル必要無い。それだったら、今の状況やったら無理やね!って普通に答えて良いと思う。その人それぞれに色んな状況があるので答えはひとつじゃない。傷付けずに希望を持たせる言葉は、その時に一緒に考えたら良いと思う。そうして考え抜いた末に「無理やね」も有りだと思う。その人と本気で向き合えば理解してくれるし答えは見つかる。その時真面目な人は、どうせ忘れるんだし、分からないんだからと適当にやり過ごすことが出来ない。

 

どうせ、分からないんだから...

 

正直たまにある。これは良いのか?悪いのか?自分だって分からない。今だって葛藤しながら、とりあえずその場を早く切り抜けないと!と思い言葉を必死に考える。作業は進めないといけない、一人だけに時間を掛けられない、あ、向こうで倒れそうな人が!こっちにも呼ばれて、看護師が来たから手伝って...

 

真面目な人ほどパニックになる。ストレスになる。あ、うまく立ち回っている人が不真面目では無いよ?そこに至るまでには相当な時間と経験と勉強が必要って事。でも、こんな考えも、子育て、家庭での介護経験、様々な挫折を経ての事。 目の前の嫌な現実を一瞬傍らに置いて、無になって作業を進めるが事が出来るのも色んな経験を積んだから。

 

CMの「余裕がある人綺麗だなー」♪

あの境地になるにはかなりの余裕と失敗が必要だ。

 

 日本はカウンセリングのようなものが身近にないし遅れている気がする。 カウンセリング受けようものなら、白い目で見られるしね。でも、月一とかできちんと話を聞いてあげてケアするルールを作って欲しい。吐き出す所を作って欲しい。また、知識や経験よりその人の内向的な部分の本質をきちんと踏まえて人選しないといけない仕事って、学校の先生とか保育士とか、警察とか色々あると思うけど、介護士に関してはこんなおっさんでもすぐに入れた。その辺も課題かも?と思う。さっさと給与を上げて、もう少し門を狭くしてくれ。 心の強い人が集まりやすいようにしてくれ。

 

今回の事件は、この人は危ないと行政や施設、警察、診察した病院、周囲の友人が分かっていながら、阻止出来ていない。連携がって言うけども所詮お役所仕事だね。大きな組織や役所が作るマニュアルは一見良くできているけども、難しい言葉ばかり並べて肝心な所が抜けている。所詮、現場を知らない人たちの文面。 プッツンした人から身を守るためには、現在の日本の法律では100%不可能。私が精神障害者通所授産施設に出向に行ったのは、小学校に男が乱入した頃。 自分と家族の身は自分で守ると覚悟して行った。前住んでいたところの周囲3家族にハンデを持った子がいて、その子からは目を離さない、そして敬う。父親として固く誓ったが、実際に同時にするのはかなりの神経を使う。結局私の場合は、障害を持った方の悪い部分より良い部分を思い知る結果になったけども。

 

自分で覚悟ができていない人が他人にとやかく言う。あーすれば、こーすればと連日評論家の人達が言ってるけれども、綺麗事を並べていても結果は出せない。現場で当事者に真正面から向き合わないと。プッツンしないように丁寧にサポートしてあげないと。今回の犯人の様な人格を形成した後の事ではなくて形成される前になんとかしないと。

 

社会の受け入れ先も全くたりていないので、身近なパン屋で当たり前の様に障害を持った方が仕事している、そんな世界を作りたかったけども理想と現実の差は大きかった。

 

社会の受け皿が足りない。

何十年も前から進まない...

そして日本ではボランティアとか自己犠牲の精神は薄い。隣人にさえ何かできない人はボランティアなんて出来ない。ネットで世界の残虐な事件が身近になっている中日本でも起こりえない事件が起きた。何か早急に対策を打たないといけないと感じた。

 

もっと現場を見ようよ。何人も目を逸らすな。