boulangerieの暇つぶし

元パン屋で都内タクドラの雑記。パン、料理(自炊)、音楽、映画、インテリア、酒、車、旅行...元嫁と質素な楽しい暮らし。

T&F

以前雇用していたT君とF君。T君は精神障害、F君は知的障害があった。知的障害は精神障害に含まれる云々はここでは省くとして...彼らには全く違った特徴があった。

 T君は、生まれながらに脳にあるわずかな傷が原因で癲癇(てんかん)持ち。当時18歳で就職して来たのだが、知能は小学校高学年レベルだと知らされていた。

 

普段の言動はまさに小学生そのものなんだけどコミュニケーション能力に優れていた。とにかく人懐っこい。誰にでも物怖じせずに思った事をすぐに口に出す子。例の、私が中二の頃に私の担任で、長男が中二の時に息子の担任になったH先生がその子の担任だったので色んなお話を聞いていた。

 

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 通学してくるT君を道路の反対側で見かけたH先生は思わず声を掛けた。気が付いたT君、脇目も振らずに手を上げながら先生に全力で駆け寄って来たそうだ。道路は勿論車だらけ。 なんの確認もせずに駆け寄ってくるT君。 周りが見えず、即行動、思った事をすぐに口に出す。授業中でもジッと座っている姿なんて見た事が無かったそうだ。

 

F君は自閉症。自ら言葉を発する事は殆どなく感情を一切表に出さないイケメン君。

ただし、興味がある事がハッキリしていて、料理、ペットの猫の飼育、ゲームに関しては凄いこだわりがあった。何事も物静かでスローペースなのだが、興味がある事に関しては一心不乱に没頭する。

 

T君は焼きあがったパンの仕上げ担当。F君はサンドイッチ担当だった。

 

二人とも一つの作業を覚えるのに一般の人の2倍から3倍時間が掛かるんだけど、一度覚えてしまえば絶対に忘れなかった。忘れないばかりか気分のムラ無く全ての商品をほぼ完璧に仕上げていた。

 

3年も経つと新たな作業を覚えるのにほとんど一般の人と変わらない状態になった。

二人共工程表通りにキッチリ仕事をやっていた。

 

「仕事」が人に与える影響を目の当たりにした。「施しより仕事」を実感した。

 

仕事の質とか量とか種類とかそんな物は関係無く、「働く」事を何故か本能的に必要と感じている彼らとの関わり合いである時働く事が随分と楽になった。

 

エンパワーメントと言う言葉は授産施設に行きだして知った言葉なんだけども、彼らが職場にいる事で、色んな意味合いの良い関係の相互依存が生まれる事も目の当たりにした良い思い出。

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都庁撮っていたら

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写真にまで割り込んで来るな。

そのタイミングで来るか? 

いつもやり合っている二色の車、この野郎...

良い関係になりましょ!✌🏻