amazonの「最近追加されたTV番組」欄に表示されていた「悪との距離」。タイトルとサムネを見た感じではてっきり好きな韓国ものと思って開いたのだけど全く違っていた。
レビュアーの数は少ないものの星は全て満点、台湾のドラマ&無差別殺人事件の加害者と被害者家族を中心に進む物語にどんなもんかと視聴を開始。
1話を見終えた時点で1本の映画を見終えたかのような完成度の高さもあってか、初めて目の当たりにする生々しい加害者家族の苦悩にここ数十年で一番衝撃を受けたドラマとなった。
主な登場人物
映画館で無差別殺人を犯した犯人の妹(主人公)と両親
長男を殺されたTV局編成局長であるキャリアウーマンと同業者の夫
精神障害者専門医(夫)と精神障害者のソーシャルワーカー(妻)夫妻
無差別殺人の犯人の妹の下宿先のカフェ店オーナー(女性)と物語中に精神を病んでいく弟
死刑制度に反対派、精神障害を持つ受刑者の弁護に生涯を捧げる正義の弁護士とその妻
これら主な登場人物の人達は次第に奇妙な関係で結ばれていくのだけど、被害者家族と加害者家族の苦悩を中心に描きつつ、近年問題になっているSNSによる誹謗中傷やメディアの在り方、精神障害者への差別や偏見、夫婦の在り方などにも真正面から向き合った中身の濃い群像劇となっている。
私は、今の所死刑制度に関しては特に賛成はしないが反対もしない。日本の現行のままでも良いと言う立場。人の命を奪ったのだから(しかも無差別に複数人であれば尚更)その責任はきちんと取って下さいと言う立場だ。更に、精神障害であっても自分で犯した罪は自分で償うべきと思っている。なので人権を声高に叫んで弱者となっている人を擁護するのは良いと思うけどもその前に償えと。
だからと言って精神障害者に対しては、精神障害者通所授産施設での4年の経験から差別や偏見は持っていないつもりだし、彼らには色んな事を教わったので感謝さえしている。また、私が独立したいと思ったのは精神と知的障害者の雇用の為だった。
ドラマを見て分かっていない事が沢山あった。特に嫌いなタイプの人権派弁護士の意見や加害者家族の意見や置かれている状況は改めて考えるきっかけになった。
描かれている事は所詮フィクション、各当事者の本当の深層心理を、本当の意味で理解するのは不可能だと言うことも分かる。でも、このドラマにおいては、今まで見た事が無かった(多分描く事が出来なかった)各当事者のストレートな意見がグサグサと心に突き刺さって来た。
ここまで読むと、終始不穏な空気漂う暗いドラマと思うでしょ?
それがドラマ終盤になると心が暖かくなって来て見事に綺麗にまとまるんですねー。
あまりにも綺麗にまとまるものだから、事実は違うぞ!との意見も多いかも知れない。美化し過ぎだ!と。しかし内容が内容なだけに、こう言うまとめ方をしてしっかりと見せるのもアリなのかな?
実際私は色々と考え直すきっかけになった訳だし。
いやーそれにしても、台湾の俳優さん達の迫真の演技と見事な製作陣の演出。近頃は韓国ドラマブーム再燃で、愛の〇〇をパクっちゃいましたけどw、初めて見る台湾ドラマのクオリティの高さに驚きました。
それに比べてデットマックスの奴ときたら...←ヤメろw
それにしても今日は暑かった💦
赤坂見附交差点にて。
元赤坂プリンスは下から壊して現在のこいつに建て替えたらしい。下からって...