先日たまたま訪問したブログにて、「料理のレシピを未だ覚える事が出来ない、夫は既にマサラカレーを目分量で作っていつも美味しいのに...」と、料理のレシピが主婦歴10年目にして全く覚える事が出来ないと嘆いている記事を見た。読んで咄嗟に
覚えようとしているからかなと思った。
同時に、こちらに来て都内の地理を覚えようと必死でナビをガン見していたあの頃を思い出した。地理(地図)は普段ナビに集中していればいるほど、ある日突然何かをきっかけにナビ無しでいつもの場所を走るとその周辺の地理を全く把握していなかった事に気付く。実際の周囲の地形や道路状況、目印になる建物や交差点は、無意識に流して見ているだけでは実は記憶にしっかりと入っていないんですね。コメントでアドバイスしようか迷ったのだけど勿論いらん事はしませんよ?(笑)。
ちなみにパンのレシピは?と問われるとそこはちょっと特殊な気もするのだけども、と言うのもパンの配合に使用される食材は多くても10種類強で平均すると下記の写真のように10種類以下が基本。
一つの店舗で大元になる生地のレシピは大体多くて20種類前後、これがやがて大きさや形&使用具材やトッピングを変化させる事で常時100種類〜200種類となるのだけど、生地の20種類程度であれば毎日、毎日仕込んでいると嫌でも覚えると言うもの。ちなみに↑のヘタクソエクセルwは当時入りたての新人が慌てて自分用にまとめた物なのですが、うちの場合レシピの持ち出しは原則自由としておりました。その理由は、例え基本的な生地の取り扱い技術をマスターしていたとしても、核となるポイントを理解していないと作る場所と材料が変われば絶対に真似出来ないと確信していたからで、これは2つ目の修行先の創業者による考え方をそのまま踏襲。実際複数店舗を見回っていた時期に各店長が同じレシピで本店の味がなかなか出せないのを目の当たりにして確信したのです。で、指導の際は当然ポイントは濁して教えませんでしたね(笑)。では私はどうやって各レシピの確信に迫ったかと言うと、例のライバル上司と共に当時の会長に張り付いて酔わせて吐き出させた。←いつもの姑息な手段(笑)
核となるポイントとは、小麦粉のエージング期間(日数)であるとか窯のサイズと食型のサイズの関係とか、生地ごとの微妙な湿度や生地温度の関係など複数の要素が沢山あってレシピに記載していない部分の事。また、このレシピは何故この製法なのか?どうしてそうなったのか?何故必要か?見たいな、レシピが出来上がった背景や当時の状況を知る事もとても大切で、そんなこんなを全て理解してこそ他人が作った定番神レシピを理解出来ると言うもの。
boulangeriemanna545.hatenablog.com
ピエトロ入社2ヶ月目、上司から「フランスパンのこのレシピ、何故ドライイーストは0.7%なのか?0.5%でもなければ0.8%でも無い、何故なんだい?」と唐突に語り掛けられ困惑してしまった当時の鮮明な記憶。数値や表面的な事よりも物事の理屈や道理を理解すると記憶が簡単になる気がするな。と、自炊5年のペーペーが申しております(笑)。
今朝の朝食は豪華に。