ジャネール・モネイの圧倒的なパフォーマンスで幕を開けた今年のアカデミー賞授賞式。何だこの歌唱力!あれ?この人誰だっけ?舞台俳優?と思っていたらこちらの映画に出ていた女優さん。
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彼女は女優であるばかりか
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作曲家、音楽プロデューサー、モデルでもあるらしい。いやー、これだからあちらのショーは面白い。続いて登場したのは大好きなコメディアンの一人であるスティーブ・マーティンと日本でも有名なクリス・ロック。(「愛しのロクサーヌ」はお勧めです)
共に過去において司会を担当したこともあるコメディアン。早速近年の司会無しの状況をいじるとお決まりの政治へのブラックジョークも欠かさない。ブラッド・ピットを指しては鏡を見ているようだ!と自虐ネタ(笑)で笑わせ、「グリーンブック」のマハーシャラ・アリを指しては彼のTVドラマの役柄に例えたジョークを飛ばす。
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アマゾンの創設者&CEOのジェフ・ベゾスを指しては「素晴らしい名優」ととぼけ、彼が小切手を切ったら銀行が潰れ、離婚しても世界一の金持ちだと会場を湧かす。
続いていじられたのはマーティン・スコセッシ。ネトフリからノミネートされ賛否両論、映画業界を脅かす存在になったのだが、「アイリッシュマン」は一本で完結した作品であるはずなのに、初回シリーズは良かったよ!と皮肉を飛ばす。
「アイリッシュマン」見てぇー!!!!!
グラミー賞もそうだけど、この冒頭で近年の動向をギュッと凝縮、数分の間で見事に表現する演者にはいつも驚かされるし楽しませてくれる。
その他順を追って書き出すとキリが無いので印象に残ったシーンをいくつか。
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」のブラピが受賞。ディカプリオとタランティーノを讃え、幼い頃にドライブインシアターで両親と観た「明日に向かって撃て!」の思い出を語っていたのが印象的。スピーチに加え去り際さえも絵になるってどうなのよ?
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アナ雪2のパフォーマンス
松たか子が出るとの話題で持ちきりだったのだけど、登場シーンは非常に少なく凄く緊張していた様子でパッとしなかった。他の演者は笑顔で伸び伸びしていたのとは対照的だったな〜。なのにその後もしつこく持ち上げ記事を見かけたが、あの数秒で大騒ぎしている場合じゃ無いっすよ、まったく...
プレゼンターのダイアン・キートンとキアヌ
二人の見事な掛け合いで会場が沸く。ああ言ったスピーチはやはり台本があるのだろうか?それともその場の即興?役者だから当然と言ってしまえばそれまでだけど、映画の撮影以外でも自然な振る舞いやスピーチが決まる!ってやはり凄いなと。
脚本賞、監督賞、作品賞
韓国初の快挙!!!「パラサイト 半地下の家族」が受賞。同じアジア人として誇らしいではないか!俳優人も皆揃っていてさっき見終えたばかりで感無量。皆んな良い顔していたなー!
エミネムのパフォーマンス
「音楽は映画を作り映画は音楽を作ります」と始まり特に音楽が印象的な過去の名シーンのVTR。卒業白書、ロッキー、ブレックファスト・クラブ(エミリオ・エステベス若っ!)、パープル・レイン、タイタニック、ボディガード(エンだーーーーーーーーーーw)、ゴースト/ニューヨークの幻、スラムドッグ$ミリオネア、フットルース、卒業、ドゥ・ザ・ライト・シング、バック・トゥ・ザ・フューチャー、レザボア・ドッグス、そして!「8 Mile」からのエミネムで大ヒット曲「LOSE YOUR SELF」。
前半危なっかしい感じでスタートして(イヤモニいじっていたから機械トラブル?)直ぐに映った観客のビリー・アイリッシュ。18歳にしてグラミー賞4冠の際は最前列でチュッパチャップスを平然と舐めていたのだけど(笑)エミネムの序盤のシーンを聞いてすげー不服そうな表情をしていたのがウケるw 真意のほどは定かでないが彼女はラッパーに対してのネガティブ発言が最近話題になったばかり。後半はエミネムも持ち直して無事に終了、最後はビリーもご満悦だったので良かったのかな。
そのビリー・アイリッシュ
え?やるのかよ!!とピアノの伴奏のみで見事に歌った「イエスタデイ」。彼女には緊張のニ文字は無いのか!と見事なパフォーマンス。今年になって初めて彼女のライブパフォーマンスを見たのはevrything i wanted。
極力力を抑えてかつ抑揚をつけて歌いこなすって高度な技術だと勝手に思っているもんだから、何だ!この子歌えるんだ!と見直したばかりだったのでなんか良かったな。←どんだけ上からw
パラダイム転換ってやつですよね。思い込み&偏りってやっぱ思考停止となるなーと。
総評
「パラサイト 半地下の家族」がまさかの4冠!
見る人によってはダラダラと長いセリフがウザいかも?と思うけど、実際は無駄なシーンや描写はほとんど無く全てのシーンが緻密。見る人によっては色んな見方が出来てエンタメにもなる不思議な映画だ。見事に受賞したポン・ジュノ監督は「最も個人的な事は、最もクリエイティブな事だ」と同じく監督賞にノミネートされたスコセッシの言葉を借り、そのスコセッシの映画で勉強した私が!と、一緒にノミネートされたばかりか受賞した事に驚きと戸惑いを隠せずにいた。そしてタランティーノもまたその一人で、ポン・ジュノ監督がまだあまりアメリカで知られていない頃にタランティーノ監督は「グエムル 漢江の怪物」を高く評価した。そんな偉大で縁のある二人の監督と共にノミネートされたばかりか受賞までするってこれほど嬉しい事はないだろう。
韓国は映画も音楽も国家的な事業として巨額を投じて頑張っている。一部では不正?的な噂もあるのだが、実際日本は負けていると感じるし、世界的に評価されても納得の作品&実力のあるアーティストも多い。その韓国にアイドル音楽で太刀打ちできるのは今の所ベビメタ しかいないんだよね。←そこに落とすか!w
もう一度言う、偏りはすなわち思考停止状態だ。笑
「ブリット」のフイルム。
いやー映画ってホント!素晴らしい!!
次は「1917 命をかけた伝令」だな。