boulangerieの暇つぶし

元パン屋で都内タクドラの雑記。パン、料理(自炊)、音楽、映画、インテリア、酒、車、旅行...元嫁と質素な楽しい暮らし。

シュークリームの勧め

二日連続地震の翌日←慣れないなーーーーー!もう!!

何故か久しぶりにシュークリームを作ろうと思った。

記憶の中のレシピは牛乳4リットル分、計算し直すのがめんどくさいのと←やれ!

人様の作り方も覗いて見たくなって動画を見る事にした。

 

シュークリーム作りの動画は、プロが作る〜、パテシエの〜、300%失敗しない〜など、色んな立場や環境の人がそれぞれの経験から微妙に違った見解で調理方法を解説していた。

シュー皮とカスタードは共に小麦粉の中の「でんぷんの糊化」と言う化学変化を利用して作る。なのでここの理解が不足すると出来上りに大きく影響を及ぼす事になる。→シュー生地が膨らまない、クリームが緩い、または固いなど

 

この「でんぷんの糊化(こか)」または「α化(アルファか)」は、生地の温度が上昇する事で見た目がドロッとなる事。←糊(のり)状になるからって事っすね。

 

 

 

 

 

 

 

語彙力!!笑!! ドロって...

 

 

違う言い方をすると、小麦粉中のβ(ベータ)でんぷんが熱によって分子レベルで構造が変化→ミセル構造が破壊された様をα化と呼びます。

 

このでんぷんの糊化は、60℃付近から第一次の糊化が始まり、75℃で2次糊化、85℃から100℃で第三次が始まると言った具合に三段階に渡って行われる所に調理の難しさがある。特にシュー皮は、湧いた牛乳に小麦粉を投入して生地が完成するまでの時間は数分、その間に温度計ぶっ刺してその都度計測する余裕なんて無い。なのでここの見極めを人によっては鍋肌に薄く膜が張った状態とか、逆に膜が完全に取れた状態などと言って意見が分かれて来る。加えて火加減や作る量、混ぜるスピード、調理器具(材質)や方法なども関係して来るのでそれぞれ微妙に作り方が変わる結果に。更には70℃になるとグルテンタンパク質の熱凝固がおこり水を放出、その水を吸ってでんぷんが膨張を始めると言う現象が重なる。熱の通し方が不足すると分子レベルの崩壊が中途半端になってふくらまない原因になる訳です。(一部のミセル構造が規則正しく並んだ状態)

 

上手くなる為には生地の中でどんな現象が起こっているのかを理解した上で、毎回同じ条件で最後に火を通す時間や出来上がりの固さをチェック→自分で検証を繰り返して慣れるしかありません。

(カスタードも同じっすね)

 

想像力を働かせながら分子レベルの変化をイメージし見た目の些細な変化に気を付ける。今日はこのくらい練ったので次はあれくらいもう少し固めにと言う感じの曖昧な表現にも、作業を繰り返せば次第に目盛りがついて来る。自分の中にある感覚に見えない目盛りがつく事で調整の加減が明確になっていきます。

動画を参考にする場合はなるべく自分と同じ環境である事を確認(鍋の材質、火力、器具など)、動画で解説されたポイントを守ってまずはスタートラインに立って見ましょう。

 

ただし、深く考え過ぎても泥沼にハマる時がある。笑

私なりにポイントを書くとするならシュー皮は

 

1、しっかり沸騰した牛乳に粉を投入する。

2、全ての材料を混ぜ合わせた後「ヘラからたれた時の形が三角」をきちんと守る。←卵を少しづつ入れキチンと微調整!ちょい固めに仕上げる事がポイントかな。

 

 

シュークリームはパンと比べると時短で家で作るハードルも低い。また、基本材料は入手しやすく単価も安い。カスタードクリームは洋酒、バター、生クリームなどの分量や混ぜ方で如何様にもなる。

 

皆んな大好きシュークリーム、この機会に自分のものにして見ては如何かな?

 かなって...

 

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冷めたら仕上げしよう〜。

 

失敗してもなるべく期間をあけずに再トライする事が重要。目盛りの目安が無くなる前にリベンジだ。