ヴァン・モリソンとの出会いは30年以上も前になる。当時一応大学生なんかをやっていて、その時バイト先で知り合ったストーンズ好きの友達から借りたアルバム「ポエティック・チャンピオンズ・コンポーズ」が最初の出会いだった。
バイトが深夜に終わると後輩にせがまれ当てもなく良くドライブに出掛けた。(しかも男)
バイク ではなく父親の車を拝借して九州の田舎を夜通し走って意味もなく盛り上がり、明け方に最高のロケーション(天草五橋)で聞いたこの曲がとても印象的で、目の前に広がる大自然の景色と朝明けと共にバックに流れたこの壮大な雰囲気が個人的にピタリとハマった。
優しく響く ヴォーカルの歌声も好みだったけど、このジャンルは何だろう?不思議な楽曲だなーと言うのが最初の印象で、映画音楽っぽいし、他の曲はジャズやロック、ブルースの要素も何となく入っているしで、他に無い謎めいたところも惹きつけられた要素の一つだった。
北アイルランド出身のミュージシャンでデビューは1964年に結成したバンドのゼム。
2年後のアメリカツアー終了からソロ活動を開始する。 1993年にロックの殿堂入り、ローリングストーン詩が選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガーで24位なのだけども、来日の経歴が無く(持病で飛行機に乗れないと聞いたことがある)まだ日本に来たことが無い大物アーティストとしても有名だ。なので普段彼の活動や楽曲を日本のメディアで聞く事がほとんど無いのがなんか残念。
ちなみにゼムの代表曲には有名な「グロリア」がある。
「 グロリア」と言えば私の場合、同じモリソンでもドアーズ のジム・モリソンのグロリアが真っ先に浮かぶのだが、原曲がヴァン・モリソンであると知ったのは結構最近だったりする。←すげー驚いた 笑
一応ドアーズ 版も。
うーん、やっぱこれの印象が強過ぎる。
R&Bやブルースの系譜だったゼムからソロになってアイリッシュの音楽やジャズ、ポピュラーが融合して独特の雰囲気が出ているんですね。
彼のスタジオアルバムは40枚を超え、アルバムによってはアイリッシュ寄り、ジャズ寄り、時にコンテンポラリー風と言うように雰囲気がガラリと変わる物も多い。でも、彼が歌うと全ては独創的な言わばヴァンモリソン・ソウル ミュージック。
逆に言うとその独創的な世界観はどれも似たり寄ったりでつまらない物になりがちですが、30年聴き続けてこうして記事など書きながら聞いていてもやはり新鮮で美しい。
やっぱこの特徴のある声かなー。
何かと混乱の世で心が落ち着くのでした。