先日Youtubeを見ていたらこんな動画を見つけた。
タイトルの「考え尽くされた...」に非常に違和感を覚えたので突っ込んで見る。
・バンパーは修理コストを抑える為に3分割になっている。
→各タクシー会社には必ず専属の整備員&設備が必須で、自社タクシーの修理&メンテ等は自社で行う事が当たり前。しかしJPN TAXIになって以降自社修理不可が多く外注が増えている事実。
・15インチアルミ装着
→タクシーのタイヤは昔からグリップ弱すぎ(コスト削減?)それは今も変わらず。
見た目よりもまずこれをなんとかしてくれ。
・リアバンパーも3分割になります。
→自社修理不可能箇所が増えたのはセンサー類が増えたため。それによって事故が減る分に関しては確かにコスト削減になるのだが...
・後方スライドドア
→以前よりも歩道側に近づきやすくなったのは良いけど、開け閉めに時間が掛かり過ぎ&スイッチによる反応が遅過ぎ問題。安全設計ではあるのだけど車両が完全に止まらないと動作が始まらない→止まってからのボタンの反応が悪い&ドアの開閉スピード遅過ぎ。
・燃費
→これは確かに良くなった。しかし以前の倍近く走るお陰でGSにて休憩する場面が減る。(余りにも少ない給油でGSに寄りにくい)
・LEDヘッドランプ&オートハイビーム
→LED眩しすぎ問題(笑)。→対向車にハイビームと勘違いされる事が増える。
明るい都内ではほぼ機能しないオートハイビーム。←無駄な機能
ちなみにほとんどの人が勘違いしているけども、ハイビームは「走行用前照灯」、ロービームは「すれ違い用前照灯」が正式名称で通常はハイビーム走行が基本だ。けれども実際問題、対向車不在の状況なんて皆無なので逆の使い方となっている。確かに夜間走行の際は明るいに越した事はないのだが必要以上に明るくする前にスピード落とせと。
・スイッチ類はユニバーサルデザイン
→手探りでは扱いにくいスイッチ類。ユニバーサルデザインは聞いて呆れる。笑
・エアコンなどのスイッチ類を右下に配置。
→運転だけなら良いかも知れない。
・使用頻度の高いハザードボタンをステアリングに設置。
使用頻度が高過ぎる→ハンドルが常にクルクル回っている状態だとお客さんを拾ってから発進時にボタンの位置が分からなくてとても使い難い。(以前はウインカーを操作するレバーの端に付いていてこれが非常に使いやすかったのに!)
・運転席のリクライニングが6ウェイ。
→え?無段階調整が基本じゃないの?
例えば、お客さんを発見するとハンドルを左に切って車を寄せる。その際の細い動きは、左手でハンドル切っている、右手でハザードボタンポチッ!とほぼ同時に右手で力を入れてドア開閉のボタンを引く(反応が悪いので力がいる)。お客さんが乗ってくる時は、視線は左斜め後方と側面の安全確認(ルームミラー+サイドミラー+死角の目視)と同時にドアに衣服や身体が挟まらないか注視。そこから発進の為の安全確認と同時に行き先を確認しつつルートを瞬時に判断しながら、右手でドアの開閉(再び力技w)、ようやく閉まったドアの後に右手でハザードボタン復帰→右手で発進のウインカー点灯となるのだけども
右手の動作重なり過ぎ 笑
こんな具合に逆にお客さんを降ろす際は左手動作重なり過ぎ&右手と左手の動きが交差し過ぎ
となってもう無茶苦茶。
このように実際に使って見ると以前のクラウンよりも、特にお客さんの乗降の際に作業の手際が悪くなってそれを経験する度にシュミレーションが行わなかった結果か?と思ってしまうのだが、開発者側が考えた動線の確保や使い勝手の悪さを体験すると、あの巨大な企業の想像力の無さを感じて虚しくなってしまうのである。
特に飲食のお店は販売も製造(調理)も動線や作業手順を考慮して綿密に計算される店舗デザインが当たり前で、そこにはお客さんの動線もきちんと絡んでいて、常に双方にストレスが掛からないように設計されるのだけども、日本の自動車や家(特にキッチン)&家電などを見ていると相変わらず見た目だけだよなーと感じてしまう。
見たくれも良いけどそろそろ本気で工業デザイン?に取り組まないと、せっかく取り戻しつつある技術大国日本もまた目立たない結果となる気がするな。
とは言え、トルクフルで視認性の高いコクピット&小回りの効く車両は疲労軽減に大きく役に立っていて、今更クラウンに戻る気もないのだけども。
リンゴ大量消費の為ジャムにします!