いつの間にかamazonプライムビデオにて視聴可能となっていた大好きな映画の一つ「海の上のピアニスト」。
「海の上のピアニスト」 (イタリア完全版)
・監督 ジュゼッペ・トルナトーレ (ニュー・シネマ・パラダイス)
・音楽 エンニオ・モリコーネ(名曲有り過ぎw)
イタリア完全版?40分の日本初公開映像?ノーカットは何と!2時間49分!!
完全版がある事など知らなかった私は上記の説明に興味津々、早速視聴を開始した。
物語は大西洋を往復する豪華客船上に生み捨てられた赤ん坊がやがて伝説のピアニストになるお話で、結局彼は生涯船を降りる事なく生まれた船(故郷)と共にその生涯の幕を閉じる悲しいお話。しかしその伝説の人物とは完全なフィクションであるお陰で、伝記物、ロードムービー、史実、ファンタジー、ミュージカル、サクセスストーリー、友情の物語と言うような、その時、見る人にとって様々な表情を見せると言う映画の醍醐味をこれでもか!と凝縮したかのような作品。また、ピアニストの親友であるトランペット吹きによる回想シーンとして進行する事により「伝説のピアニスト」たる所以をよりリアルにし見る人の感情を大きく揺さぶる結果となる。
劇中のジャズの生みの親と呼ばれるジェリー・ロール・モートンと言う実在した人物とのピアノ対決、ピアニストの初恋、ピアニストが最後まで船を降りなかった理由を通してある人は「人生とは?」を考えるきっかけになるだろうし、一人の人物の伝記物としても十分に見応えのある作品だ。
そして何よりも全編美しい映像。ノーカットを見てもどこがカットされていたのだろう?と思うほど無駄な描写が一切無いと感じてしまうのは、1930年頃?の豪華客船内の様子や当時の衣装など非常に細部に拘ったであろう丁寧な作り込みによるもの。
船の中だけで生涯を閉じると言うその一見ちっぽけな世界観は、彼の思考を通してみると無限で限りなく自由な世界。人間には他の動物に無い自覚、想像力、良心、自由意志があるとはナチスの強制収容所に拘禁された当時の心理学者であるヴィクトール・フランクルの発見で、全てを奪われても尚彼の心にあった人間の大いなる最後の自由は誰も奪う事は出来無かった。(選択の自由)
ピアニストから見た陸地(世界)は無限であって途方も無く終わりの無い世界。そこには人の数だけ争いや欲望が渦巻いており楽しい夢の世界もまた無限。その現実にある無限の選択は彼にとっては想像力を働かせることで楽しむ事が出来る。それよりも目の前の今を生きて終わりの見える船の上の生活を選択する。無限の想像力と実際に住んでいる小さな世界VS小さな想像力VS現実の大きな世界と言う葛藤。現実的には大抵が後者を選択するのだろうけども結果、企業活動に忙殺され利用されて小さな想像力と小さな世界で生涯を閉じるのが大半であるのもまた事実。
そんな事を考えつつやっぱりこの映画は面白い!!
日毎に豪華になる朝食。←昨日の雨は入れ食い
いい加減オーブンプレートをトレー代わりに使うのやめよう〜。笑
ブリ大根旨し!!