映画「イエスタデイ」は2019年公開、イギリスのファンタジーコメディ。監督は「スラムドッグ$ミリオネア」「28日後...」「127時間」などで有名なダニー・ボイル。
物語
売れないシンガーソングライターのジャックが音楽の道を諦めたその日、12秒間世界規模で大停電が発生。それが原因でバスに轢かれ昏睡状態から目を覚ますとなんとそこはビートルズが存在していない世界だった。自分以外は誰もビートルズの存在&楽曲を知らない事に気付くと彼は閃くのであった。(笑)
今時のスタイリッシュでクールな映像で魅せるダニー・ボイル監督作品独自のカラー。原色や蛍光色を多用しているのだけど時折り全体が淡く見え、まるで一昔前のフィルム写真のよう。街の様子や部屋のインテリからちょっとした会話の合間に映し出されるワンカットも写真のようで計算し尽くしされている印象で
いちいちカッコ良いんですよね ←!w
そんな夢物語を象徴するような映像美とファンタジーな世界観が非常にマッチしており、更には小気味よく進む小ネタ満載のコメディ。ビートルズの存在が無い世界に気が付くまで&気付いてからの行動や結果にマイケル・キワヌカ(小ネタ)やエド・シーランと言った実在のアーティストが本人役で登場し絡んでくる所も面白い。そして何と言っても最大の見どころは、ビートルズの有名楽曲(歌詞)に合わせて進む恋愛ベタであるジャックの恋の行方。そんな彼の背中を押したのはジョン・レノン。こちらの世界では存在していて(元漁師という設定)彼にアドバイスをもらう所なんてのも名場面認定です。(勝手にw)どんどん有名になって途中で現れる謎の2人との絡みやほのぼのラスト、最初から最後まで心地良く安心して見ていられる傑作。
結局、もしもビートルズが存在していなかったら?は、ビートルズ無しの世界なんて有り得ないと言う最高のオチ、だって存在していない世界でさえ彼らの楽曲は人を幸せにするのだから。私はそう感じたのだけどもこれは見る人によって色んな感じ方が出来るでしょう。また、ビートルズを知っている人も知らない人も楽しめるようになっていますが、知らない人を数える方が早いかも?と思えるクラシック以外のアーティストって簡単には思い浮かばない。今更ながらその偉大さに驚くのでした。
全編監督さんのビートルズ愛に満ち溢れいてるので疲れている時はどうぞこの映画で癒されて下さい。
ちなみにこの世界では他にもコカ・コーラとハリーポッターとオアシスの存在も消されています。この辺がね、イギリスらしいと言えばらしいし超楽しい。笑