井上選手が歴史的大偉業を達成した翌日の報道は、個人的に受けた試合の感想とは真逆の物が多くて少し驚いた。バトラー選手があまりにも守りに徹した為一部では炎上気味になっていて、とあるニュース記事によると「現地で「金返せ〜!」などの怒号が聞こえた」とあった。私が観覧した視聴者が撮影した動画の中には実際に、「試合しろ!」などの声も入っていて、一連の報道や各関係者らの感想を見てもバトラーがあまりにも手数が少ない事への言及が多くて、物心ついた時からの格闘技ファンとしてはちょっと複雑な思いをしてしまった。
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ジレンマ
話は変わって、これら一連の流れ見ていて思い出したのが作り手と買い手のすれ違い、と言うか互いの価値観や真実の理解度による商売の難しさ。パンで簡単に言うと、ハード系と言われる最も美味しいパンへの一般消費者の認知度&理解度はまだまだ作り手の思考とは遠く乖離しており、苦労して長時間手間暇かけて作る必要のあるハード系のパンほどその美味しさが全く伝わらなかったりする現実。結果→結局売れてなんぼの世界、なのでこちらから消費者側に歩み寄りを見せるも、これまた非難され(笑)いつまで経っても平行線を辿る事になる。そもそも、作り手と買い手の「美味しいパン」の定義が全く違うので起こる現象なのだけども、先日の試合を見ていて井上選手と観客との間に起きたボクシングの魅力に関する価値観の違いを改めて認識させられた。
しかしながらビジネスと言うのはやはり売れてなんぼ。激しい競争の中で成功を収めている側からするとこれらのジレンマは戯言に過ぎず、だからダメなんだよ!と言われてしまえば、おっしゃる通りでございます。笑
ただここで一つ言いたいのは、ボクサーの場合他のいかなる業種よりも遥かにリスクが高く毎試合命が掛かっていると言う事。いくらグローブをしているとは言っても、打ち所が悪けりゃその場で死に至る。そんな商売他にある?井上尚弥選手の場合、ファイターであると同時にエンターテナーでもあると言う部分が他と卓越した所と思っているのだけども、だからこそ、良く分かっていない客をも喜ばせるべくあの大一番で危険を冒してまでノーガード戦法をする、対するバトラーは早々に命の危険を察知してギリギリまでやれる事はやったと言う事が少しでも理解してもらえれば良いなと。
まー、でもね、単にエンタメとして捉えている側は普通はそこまで掘り下げない。けれども、上手に長く何かを楽しむ為には、今興味のある事を深掘りして見るのも良いかも知れません。
ダチョウの身体能力!!
時に真実とは残酷である。
富士山の存在感。