AM5:00、雨の中ようやくキャンプ場から出発して近くのセイコマにて朝食と天気の確認をする為スマホをマジマジと覗き込んでいたら
「こんにちは〜!」と聞こえてくる。見上げると満面の笑みの爺ちゃんがいた。
「川口ナンバーであの装備でしょ?これは声を掛けなければ!と思ったんだよ!」と小さな体で飛び跳ねるように近づいて来た。
聞くと同じキャンプ場から買い出しに来たらしい。しかも群馬から来たとの事。
え?これで?
爺ちゃん御免。盗撮しちゃった。
ペラッペラのシャツにペラッペラのカッパ。足元はコンビニの袋が巻かれている。
どこからどう見ても地元民だ。色々話を聞いていると、こんな感じで日本全国旅をしていて、スイス、ドイツ、オランダの話まで飛び出した。
これで
自転車も普通っぽいし70過ぎだし最初は半信半疑で聞いていたけど、よく聞くと稚内まで飛行機で来て、一泊した後は私と同じ網走方面を目指すとの事。まーここまで飛行機とは言え、これから北海道を回るのは本当の事らしい。それにしても愛くるしい笑顔で次々に語られる旅の楽しいお話。初めてのキャンプツーリングで雨に見舞われて散々だったと言ったら、そんなもんだよ!とやはり満面の笑みで返してくる。群馬の爺ちゃんは過去に、装備してある電灯を取られ、財布をなくし、野営していた公園を追い出され、しまいには自転車までも盗まれた事があるそうだ。 色々あっても最後はその愛嬌の良さと人柄、積み重ねられた経験と知恵と行動力で乗り越えて来たらしい。
旅のきっかけはまだ10代の頃の自転車旅行。
大企業を定年してしばらく経ったある日、沖縄にはまだ行ったことが無いなーと思って若かりし頃の自転車での旅を思い付いたそうだ。現地までは飛行機と言うスタイル。それでも60歳過ぎても昔のように無事走り切ることが出来て感動したそうだ。そこから海外を含めて思い付きであちこち回っているとの事で、北海道は12回目で本当はイタリアの予定だったんだけどね!とどこまでも底抜けに明るい群馬の爺ちゃん。
バイクでさえ割と大変なのにと謙遜していると、バテそうになって考える目的地でのお風呂、食事、お酒と言った些細な楽しみが至福の時に変わる喜びと達成感が病みつきになるよね!と顔をしわくちゃにしながら話していた。確かにシワは多いが、妙に血色が良く肌がツヤツヤしていて何よりも生き生きとした表情が素晴らしい。人生をギュッと凝縮したような体験が旅の醍醐味っすねー。苦しい時があるからこそ、小さな喜びからやがて深い幸せを感じる事が出来る。二人で大きく共感して意気投合したのでした。
尚、群馬の爺ちゃんは普段は後ろにA4ほどの自己紹介文を貼り付けて走行している模様。群馬から来ました!過去にはこんな所を回ってます!次の行き先は稚内だけにわっかんないー!など😅
こうして誰とでも仲良くなって貴重な情報を得る。スマホで調べても分からない現地の情報を得る。情報収集能力も半端ないのであった。
爺ちゃん!楽しいひと時をありがとう!またどこかで!🙋🏻♂️