boulangerieの暇つぶし

元パン屋で都内タクドラの雑記。パン、料理(自炊)、音楽、映画、インテリア、酒、車、旅行...元嫁と質素な楽しい暮らし。

映画「アジョシ」とあの日の後悔

3連休の2日目、外の気温は19℃。9:00にタバコを買いにコンビニに出かけ、旨い安ワインに手を出してしまう。そして引きこもりモードに突し入amazonプライムで映画を選んでいると、大好きな韓国映画の「アジョシ」を発見した。→レンタル。


過去の出来事が原因で心に闇を抱え、街の片隅で質屋を営んで生きる男テシク(ウォンビン)。隣に住む孤独な少女ソミ(キム・セロン)は、テシクをただ一人の友達として慕っていたが、ある日、ソミが麻薬中毒の母親共々犯罪に巻き込まれ、組織に誘拐されてしまう。ソミを救い出すため、立ち上がったテシクは……。

 

Yahooの映画サイトより。

 

ここに出でくる少女ソミ。小倉で引っ越した際の娘の同級生に瓜二つ。なので、この映画を見るたびに思い出す過去の出来事。劇中のソミのママは夜のお仕事で麻薬中毒。子供がいないと心配して探すが、子供の目の前でヤクを打ち、気分次第で子供を追い出し育児放棄。それでもママを慕う子供。

 

私の娘の同級生はカレンちゃん。(仮名)旦那はマイルドヤンキー、テキ屋っぽい。ママは専業主婦だがいつも見た目が派手。カレンちゃんは学校から帰るといつも弟と犬と一緒。下に1つ離れた弟がいて、ママは生まれたばかりの三男の育児で忙しいと幼い2人を暗くなるまで家に入れない。カレンちゃんは毎日帰宅後家に入れず、幼い弟と犬と毎日外で時間を潰していた。寒くても、暑くても、雨が降っても、疲れていても、寂しくても、自分の家には入れない。そんなカレンちゃんと娘は仲良しで良く遊んでいた。親としては正直距離を置きたかった。何となく悪い影響を受けるというだけで。でも、娘はカレンちゃんが好き。

 

子供の頃親に「あの子と遊んではダメよ?」と言われる時ほど辛いものは無い。 友達なのに?悪い子じゃ無いのに?ママはどうして差別するの?ママは嫌い!でも本当は大好き...

 

「あの子と遊んではダメよ?」

 

この一言で、状況が理解できないまま幼心は深く傷つく。 なのでしばらくは何も言わないで見守る事にした。 カレンちゃんと弟とは私自身距離を縮め仲良しになった。そんなある日事件は起こる。

 

近所のスーパーで、娘とカレンちゃん兄妹で万引きをした。 カレンちゃんは常習犯だった。純粋な娘はカレンちゃんの大丈夫だよ!の一言と物欲に負け犯罪に加担。親としてはこんなに複雑で悲しい出来事は無かった。この出来事を皮切りに、カレンちゃんに傷つけられて行く回数や事案が増える。 遊ぶ約束しても平気で破られる軽いものから、知らない土地に遊びに行って置いてけぼりされて迷子になり警察のお世話になるとか。カレンちゃんを含む一家の悪口を言わないで、娘をカレンちゃんと遊ばせながら見守り続けていたが限界を感じた。 そして 距離を置いた。その後もその一家の周りでは夫婦喧嘩が絶えないとか、良く警察が来るとか、従兄弟が4階から転落とか、知人が周辺で不審な死を遂げるとかもう無茶苦茶。そんな中ある日カレンちゃんの弟がいつものように私に満面の笑みで挨拶をして来た。距離を置きたかった私は一瞬目を合わせたものの気付かないフリをしてその場を立ち去った。バックミラーで見たあの落胆の表情。何故?の顔。あの一瞬の行動で娘は守ったかも知れない。でも、カレンちゃん兄妹は?娘の気持ちは?カレンちゃんの弟は私にもスゴく懐いていたのであの時の私の態度で深く傷ついたに違いない。

 

映画アジョシでも、ただの隣のおじさんが唯一の友達と慕っていたのに、ソミが万引きをして警察に咎められておじさんに助けを求めて無視される一幕があった。映画の冒頭でソミは、「おじさんも私が恥ずかしくて知らんぷりしたんでしょ?私は平気だよ。クラスの子も先生もそうだからね。でも私を物乞いとからかう子よりおじさんの方が悪い。」「でも、嫌いにならない。 おじさんまで嫌いになったら、私の好きな人がいなくなっちゃう」と言う。

 

ラストで主人公は

あの時知らんぷりしてごめん。

知ってるふりをしたい時

知らんぷりしたくなる。

と謝罪した。

 

自分達だけを守りたい気持ちで軽くやってしまった行動で幼い子供の心を傷つけた。 いつまで経ってもあの時の弟の表情が頭から離れない。戻れるなら謝罪したいと思った。

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例の動画より。

味噌ベースのソースとチーズとネギを乗せて焼いてみた。