boulangerieの暇つぶし

元パン屋で都内タクドラの雑記。パン、料理(自炊)、音楽、映画、インテリア、酒、車、旅行...元嫁と質素な楽しい暮らし。

ジレンマ

新年明けましておめでとうございます。

今年もどうぞよろしく!

 

ジレンマがギリシャ語である事を今知った相変わらず無教養の私。

 

先日無事にリベンジを果たしたタコ焼き作りの為に見た動画は数十本。主に大阪のお店の動画を見たのだけど、それぞれ特徴があってとても興味深く拝見した。

 

こう言う製造工程ってついつい見続けてしまう。特にたこ焼きは、最初のあの無秩序状態や不均一な状態をいかにして綺麗に収めるのだろうか?あの隅っこのやつは無事に製品となるのだろうか?などが気になって仕方が無い。

  

 

で、コメント欄に目を移すとたまに「衛生的に...」と言う意見があって、作り手側を経験している身としては色々と複雑な思いが蘇った。

 

先進国の中でも、特に裕福な日本で商売をする為にはニーズに答えるのは当然であり極めて重要な事。常に消費者目線で物事を捉え、リピーターを増やすと同時に新規顧客も獲得を続け無ければ先は無い。なので、ほんの数年前までは無かったネットを被って帽子、コロコロによる衣服の遺物除去、マスクにゴム手袋が当たり前になり、私語は勿論厳禁、お客さんの目に触れない所の清掃も万全、異物混入や除菌に関してはあらゆる部分に細心の注意を払っていた。

 

そして最近になってマスク禁止のニュースを見た。

 

コレは売り手に立つと分かる事なのだが、衛生管理としてはマスク着用としたいのだけど、接客と言う部分においてはデメリットが勝ってしまってここにジレンマが生じる。

コミュニケーションにおいてはお客さんに対してのみならず、工房内においても少なからず悪い影響が出てくる結果となるので悩みどころだった。

 

テレビを見れば一目瞭然なのだが、相手に安心&良い印象を与えるにはを見せる事はとても重要で、ある接客の講師によると、上顎の全ての歯さえ見せれば後は割とどうでも良い!と言い切るほど重要だ。なので口元を全て隠すと、どんよりと暗い雰囲気となってしまって、社内のコミニュケーションばかりかお客さんに対しての印象も悪くなる。

 

衛生上(自己防衛含む)はマスク着用、接客においては大きな損失となるのだからジレンマは尽きない。コレを解決するにあたって、一時期プラスティック製の透明のマスクが出現していたのだけど、いつの間にか見なくなったと思った矢先のこのニュース。

 

恐らく透明のマスクは、プレート部分に息が溜まる、呼吸困難、やはり見た目が、などの理由が考えられるが、売っている側からするともう少し寛容になって貰いたいとの思いも強い。

大規模な工場で大量に生産する物と違って小売は出来立てや鮮度が命でもある。買う側もほとんど1日か2日、またはその場で消費するのであれば神経質になり過ぎても楽しみが減って、食べて味わうと言う醍醐味が失われてしまうなーと。

 

気になって仕方ない人には、このシリーズを一日一回見て貰いたい。笑

 

 

しかしながらこの動画は、私のカテゴリー分けの「料理」では無く「面白」に分類してしまう所に、永遠のジレンマを感じてしまうのでした。